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2024.08.27

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8/26(月)完成披露舞台挨拶オフィシャルレポート

公開を控える8月26日(月)に完成披露舞台挨拶を実施致しました!

生きろ、未来のために!今の時代に観るべき、壮大な歴史スペクタクル映画『シサㇺ』(9月13日(金)公開)がついに完成。8月26日(月)に都内映画館で完成披露上映会が実施され、主演の寛一郎、共演の和田正人、坂東龍汰、平野貴大、サヘル・ローズ、緒形直人、中尾浩之監督が登壇した。

満員御礼で迎えたこの日。松前藩藩士の息子・孝二郎を演じた寛一郎は「小学生の頃にアイヌの集落に2週間滞在したことがあって、そこから約20年が経ってアイヌを題材にした作品のオファーが来て。これも縁だと思った」としみじみ。孝二郎の復讐相手となる男・善助を演じた和田は寛一郎から「和田さんは昨日誕生日でした」などと明かされ、赤面しつつ「(寛一郎とは)縁があって以前から面識があり、いつかご一緒したいと思っていました。面と向かって対峙した時に、台詞ではない熱量をどう受けて立つか、僕の中で緊張感があった。そんな気持ちを持てたのは彼の芝居の凄さのお陰です」とリスペクトした。



孝二郎の師範の松前藩士・大川を演じた緒形は「僕自身、北海道に縁はあるものの、土地の歴史やアイヌ民族について知らずに来たので、本作を通して知りたいと思った。台本に目を通した時に、アイヌを演じた皆さんがアイヌ語に感情を乗せて芝居するのがどれほど大変だったのか…。目を凝らして見てください」と見どころに挙げた。



和人に反発心を抱くアイヌの青年・シカヌサシを演じた坂東。寛一郎とはプライベートで親交があり「寛一郎が主演だと聞いたときに、絶対にやると決めた。やっと共演が出来るワクワクがありました」と嬉しそう。ただカタカナで記されたアイヌ語台詞には苦戦したそうで「台本を読んでギョギョ!アイヌ語台詞はすべてカタカナで…。覚えるの無理無理!と。撮影初日を迎えるギリギリまでセリフをひたすら聞いて覚える日々でした」と慣れない言語での台詞に苦戦していた。

そんな坂東は劇中では付け髭を装着してワイルドな風貌。これに寛一郎は「今日会った時にサヘルさんが(坂東の事を)わかっていなくて、『初めまして』と言っていて(笑)誰だと思っていたんですか?」と暴露。サヘルは坂東と共演していたものの、ヴィジュアルのあまりの違いに同一人物だとは思いもしなかったという。坂東は「サヘルさんとは扮装姿でしか会っていなかったから…」と理解を示しつつも「今日お会いした際に『初めまして』と言われて、ウソでしょ?と思った(笑)髭のパワーは凄い!」と大笑いだった。

さらに坂東は、寛一郎からの無茶ぶりで劇中のアイヌ語台詞を披露することに。「恥ずかしい!」と言いつつも、スラスラとアイヌ語台詞を暗唱。撮影からかなりの時間が経過しているのにも関わらず完璧な記憶力に拍手喝采を浴びていた。



アイヌの村のリーダー・アㇰノを演じた平野は「日本語をアイヌ語に変換すると、たった一言が4、5行の文になる。いただいた台本も基本的にカタカナで書かれているので、覚えるためにカタカナ部分を漢字に当てはめたりして頭に叩き込みました」とアイヌ語台詞を覚えるための工夫を明かしていた。



和人に夫を殺されたアイヌの女性・リキアンノを演じたサヘル。「台本を読んだ時にリキアンノを生きてみたいと思ったのは、自分の人生の生い立ちからくるメッセージ性があると思ったからです。争いとその争いから遺された側がどう生きていくのか?役を通して皆さんに届けたいメッセージが明確にありました」と思い入れもひとしおだった。



本作を手掛けた中尾監督は「この作品を作る上で意識したのは、僕は謙虚でいようという事です。こちらから答えやメッセージを押し付けるのではなく、映画から観客の皆さんなりのエモーショナルを感じ取って欲しいからです。作品に込めた“風”というテーマを感じ取ってもらって、自分なりの答えを見つけて欲しいです」とアピールした。



最後に主演の寛一郎は「アイヌという人たちがこの地に数多く存在したこと、そして豊かな文化を築いてきたこと。そしてその文化が徐々に失われつつあること。僕らはその文化を絶やさず、未来を繋ぐためにこの映画を作ったと思います。僕らが生きている世界は今日も価値観や歴史の衝突で様々な困難があると思います。その現実と向き合い、僕らはこれかどうすべきかを模索するべきだと思います。それをするためにはまず知ることが大前提。本作がその知るきっかけになれば良いなと思っています」と呼び掛け、舞台挨拶は和やかなムードで終了した。

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